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認知症の母を地方の「サ高住」から遠方の「特養」に転院する際に行ったこと【移動当日編】




 

出発前日


いよいよ、実際に転院の日が近づいてきました。


前日に母の荷物をまとめるためにスーツケースを持っていきました。

そして、現在入居している施設へ持ち込んでいた今後不要となるものを引き上げました。

テレビも持ち込んでいたのですが、リモコンの操作もおぼつかなくなってきていてほとんどテレビを見なくなってきたという。

見るときは、共用エリアへ行って見ているという。なので新しい入居先でもテレビは不要となり引き上げました。


ちなみに前回NHKを解約しようと思いNHKへ連絡したところ、そのような施設に入居したとしても自分のテレビを持ち込むと自分の受信契約は継続となり解約はできないとのこと。

それには驚いたが、すでにテレビを持っていっていると話してしまった…

でも今回はもうテレビは使わない。使うとしても私が帰省したときのキャストに使うくらいかな。でもそのキャストを買わなきゃ。そんなに使うほど見るかな?

今度こそNHKを解約しよう。


そして新しく入居する特養から「持ってくるもの」リストを見ながら荷造りをした。

「着る服がない」と散々訴えていたくせにすごくたくさんある(笑)

スーツケースがパンパンになった。


持っていくものは、処方されている2週間分の薬、あとは殆どが衣類だ。

あと当日着る服とちょっとした小物、それは別のカバンを用意する。


荷造り完了、と不要なものを自宅へ持っていく。

ある意味、引っ越しだ。いや本当の引っ越しだ。


飛行機は明日の10時発、その一時間前に看護師さんと空港で落ち合う。

空港までは介護タクシーで約30分、朝8時に迎えに行くことになっている。

それを再確認し、施設を出て帰宅した。


 

出発当日


「サ高住」〜空港までの介護タクシー

時間通りに施設に到着、介護タクシーに乗り込むのにも少しだけ時間がかかる。

それと施設の人たちとお別れの挨拶だ。

施設のスタッフや入居者の方たち、みんなに見送られていた。

なんだかんだいって良くしてもらっていたようで、どんな形であれ「別れ」というものは寂しさを伴うもんだなぁ。


介護タクシーに乗り込み、さあ出発。

長年、住み続けた土地を離れる。

しかし自分の娘や孫が住んでいるそばに居ることができるのは嬉しいようだった。特に孫の話をすると心からの笑みを浮かべていた。

認知症ではあってもそのような感情は残っているんだなぁと感じた。



出発空港〜機内

道路もスムーズ、9時の予定だったが余裕も持たせていたこともあり早めに着いた。

到着するや、看護師さんらしき方がよってきた。


「だすけさんですか?」


ほかに我々のような搭乗者がいるわけでもなく、すぐにわかったようだ。

確かに何度も飛行機に乗っているが、車椅子の高齢者などは見た記憶がない。覚えていないだけかもしれないが印象はない。


あとから看護師さんにも聞いたが、このような形の付き添いの仕事もそれほど多くはないとのこと。

まあそうだろうな。


さっそく看護師さんが働いてくれる。

空港へ車椅子の手配をし車椅子を用意、介護タクシーの車椅子から空港の車椅子へ移した。

そこから看護師さんと空港スタッフが全部手伝ってくれた。

空港のほうも事前に「お手伝い希望」であることを伝えている。

けっこういたれりつくせりで対応やサービスは素晴らしかった。VIP待遇並みかもと思ったくらいだ(笑)


私の予約と母の予約は同じなので、まずそのチェックインを行い荷物を預ける。

そして看護師さんのチェックインを行う。

すると空港カウンタースタッフが座席の配慮をしてくれて、前方のほうに2席隣合わせで空いているからその座席への変更を促してくれた。

やはりその席はエコノミー最前列で前に余裕がある席で車椅子からの移し替えなど介助がしやすそうで、移動距離も短かった。


チェックインが終わり、待合室で少し雑談をする。

看護師さんは東京の方で、今回は前日入りしその市内のホテルに泊まったとのこと。(当日朝早いので)

この土地は初めてだというので、この辺の魅力を話したりしました。


行って帰ってくるだけでもその土地に触れることができる、そういうのも旅の一つだと思います。いつかまたゆっくり来てください(^^)


雑談をしていると空港スタッフが、搭乗手続きが混む前に入ったほうが良いというので早めに搭乗手続きを済ませた。


車椅子の母も当然ボディチェックを行う。

ちなみに空港の車椅子は木製だから金探には引っかからない。


しかし何を持っていたのやら、金探に引っかかったようだ。

引っかかったからには空港としては確認しなければならない。ポケットを全部探してその物を特定できたようだ。

そこはしっかりやるんだなと思った。

そう、そこもしっかりやらないとそういう人を利用する悪い連中も発生しかねない。


無事搭乗手続きを済ませたら空港スタッフが、待つ場所や搭乗するタイミング「一般搭乗者より先です」と案内してくれた。

搭乗は一番最初、降りるのは最後とのこと。


そして搭乗の時間になると今度はCAさんらしき方が車椅子を押してくれていた。

そして今度は看護師さんが車椅子から座席へ移してくれる。

私は何もしない(笑)



到着〜タクシーで新しい入居先「特養」へ

そして、離陸〜到着。


降りるのは最後、だが私は離れているので流れで先に降りて待っていた。


空港スタッフが車椅子を持ってきていた。そして看護師さんが車椅子へ乗せ替える。空港の方が手荷物受け取り口まで案内を兼ねて車椅子を押してくれる。


手荷物を受け取り、外へ出てタクシー乗り場へ行くと今度は手配していたタクシーの運転手さんが寄ってきた。

なかなか我々のようなグループはいないのだろう、すぐにわかったようでここでも向こうから声を掛けてくれた。


看護師さんが車椅子からタクシーへ乗せ替える。

タクシー会社での車椅子の用意がないので、事前の打ち合わせの段階で看護師さんが通常のタクシーで十分対応できるとのことだった。


母の乗せ換えが終わり、私は前の席へ乗る。

ここで空港スタッフと別れた。


タクシーへの引き継ぎのタイミングもピッタリだった。(飛行機到着時間から約30〜40分)

そして、そこから約30分で新しく入居する特養へ着いた。



新しい入居先「特養」にて

タクシーの支払いをしている間に、看護師の方が施設の方へ車椅子の手配してくれていた。

それから特養のほうへいろいろと引き継いでいた。


私は契約書の再確認や抜けていた記名などの手続きをしていた。

その途中で姉が到着した。


母が姉の名前を呼ぶ声が聞こえた。

それは最近のか細い声ではなく、はっきりとした声だった。そして涙を流し再会できたことを喜んでいた。

コロナ禍でまったく面会できず、その間に認知症を発症した。

認知症とは言え、孤独感や疎外感は相当なものだったのかもしれない。


まさに涙の再会だった。

まだ自分にとって大切な人の認識があるうちで良かった。


私の方の手続きも終わり、完全に特養の方への引き渡しが終わった。

まだコロナの検査が必要で検査結果が出るまで一日部屋で待機とのこと。

ここでお別れとなった。



旅の終わり

看護師の方もここでお別れとなった。

短い時間だったが母に「楽しかったよ~」と言っていたのが嬉しかった。

本当にこの看護師さんがいてくれたことが心強かった。きれいな方で話しやすくこちらも楽しかった(笑)


これで母の転院が完了した。

ただの移動ではあるが、感覚は「旅」だった。


終始スムーズでそれぞれのパートの連携も素晴らしく上手くいきました。

多少の費用はもちろんかかりましたが、おそらく最小限で抑えられたと思います。

おおよその金額として全部で「10万円程度」とでもしておきます。



 

まとめ


費用概要は


・サ高住〜空港の介護タクシー代

・看護師さんの手配(8時間以内)

・看護師さんの旅費(前泊+往復交通費)

・空港〜特養のタクシー代(区域定額+高速料金)

・母と私の交通費


今回は飛行機の選択をしました。

私も比較的遠い場所だったので、全国各地においてもこのような感じでいけるのではないかと思います。

移動距離や交通手段、時期によっては、金額も当然変わってきますが。


それにしても日本国内におけるこのようなサービスの連携は素晴らしいと思いました。

きちんと手配さえすれば、なんの不安もなく転院させることができます。


まずは介助の手配、今回使ったのは


「日本ツアーナース」


ここへ一番最初に連絡して相談してみる、ここから始めたことが正解でした。

行程プランを作成してくれて、私はそれに沿った行程で飛行機やタクシーを手配しただけです。

そして各社とも最適なプランを提案してくれました。


「餅は餅屋」こちらの事情を素直に伝え相談する事、これがスムーズに物事をすすめるコツだと思います。


転院が完了して肩の荷がおりたのか、帰宅したらどっと疲れがきました。

移動中は何もしてなかったんですけどね(笑)

​だすけ

青森出身神奈川在住のアラフィフ。実家のことでいろいろあり、青森にちょくちょく行くように。その忙しさの合間や道中、逆境すら楽しみに変換してしまうポジティブな人。

​そのほか、いろいろ基本的にすべてDIY、費用対効果重視で無駄が嫌いらしい。

​だすけの由来は南部弁の「〜だすけ」

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