十和田で話題の『オーロラ食堂』に行ってきた これは新しいタイプのご当地ラーメンだと思った
更新日:6月10日

十和田にまちなか広場という場所がある。
いわゆるバスターミナルのような場所で、かつての十和田中央に代わるターミナルになりそうな場所だ。
ここを中心に各方面へのバスに乗ることができる。
東京行き高速バスも発着する。
私も高速バスを利用するときにはここから乗ることが多くなってきている。
最初はバスターミナルだけだったが、マクドナルドができ、ツルハドラッグができ、さらには今回取り上げる
『オーロラ食堂』というラーメン屋ができた。
実はこの場所、かつての十和田の中心地(今もか?)で一番賑わっていた場所でもある。
かつて「亀屋」と「松木屋」という十和田の2大デパート(今の小さめのイトーヨーカドーより小さいかも...当時はとりあえず何でも売っている場所=デパートだった)があり、ここは「亀屋」があった場所だ。
ちなみに「松木屋」は今のアートステーションがある場所だ。
こういった場所が再び盛り上がってくる。
ちょっとうれしい。
話はそれたがオーロラ食堂である。
入り口にメインメニューの説明があった。

なるほど、表と裏か。
表は最近でいうところの「ノスラー(ノストラジックラーメン)」的か。
裏はガッツリ「二郎インスパイヤ系」
そして「地元の食材をふんだんに使っていますよ」という説明だ。
個人的に、上北農産加工(KNK)の醤油と、小関製麺の麺を使っているのが非常にポイントが高い。
席は満席ではないのだが、まだコロナを意識してか座席の間隔を空けて案内していることもあり並んでいた。
でも2〜3組といったところだが。
順番が来て券売機を見ると

「本日、つけ麺のみ」
の案内が…
いや、表にもそれらしき案内があったが気にしてなかった…

せっかくなので、つけ麺にする(いや、つけ麺しかない)
食券を買い、座席へとつく。
店内を見渡す。
といってもそんなに広くはない。

おっ?
なんか苔っぽいイメージだな。
苔と言えば、近年での奥入瀬の名物だ。
奥入瀬は苔ありきでもあるようで。「ブラタモリ」でもやってました(笑)
苔玉とか苔ブームのハシリかもしれない。

やっぱり奥入瀬の苔をイメージしたものだった。

ビールも地産もの。


よーくみると、「飯田商店」と「とみ田」のカップラーメンが置いてある。
その系統に影響を受けているのだろうか?
でもそうだろうな。
影響受けてなきゃおもむろに置かないよな。
この系統のラーメン店に「味噌カレーミルクラーメン」や「激にぼ」が置いてあったらおかしいよな。(両方ともご当地系カップラーメンです)
とあれこれ思いにふけっていたら、届いたのがこれ。

非常にお上品な感じ。
麺に少し浸かっているスープが昆布だしらしい。
「少し塩を振っているので最初は麺だけでどうぞ」
と案内されたのでそのとおりにする。
まるで蕎麦だな。
蕎麦もうまい蕎麦は麺だけでいける。
かつて、うまい蕎麦とはなんぞや?と思い、すごく評判の良い蕎麦屋にいってみた。
挽きたて打ち立て茹でたての三立て、これが基本らしい。
蕎麦通のように、蕎麦だけで食べた。
意外といける。スルスルっと喉に通る。
でもそれのどこが旨いのかは、そのときはわからなかった。
後日、安い蕎麦を自分で茹でて同じことをした。
つけ汁が必要だった…
うまい蕎麦は、味こそさほどしないものの蕎麦だけでいけるということがわかった。
味を知るには非常に繊細な味覚が必要だと思う。
さてここの麺はどうか?
「うちは麺もこだわってるよ、それと同じことをしてみて」ということだと思う。

なるほど、喉越しが良い。浸かっているそのスープなのか?塩なのか?
ほんのりと淡い感じの味もある。
「繊細だなぁ」

このチャーシューも地産の「ガーリックポーク」
柔らかく臭みもなかったと思う。
ていうか、そこまであまり意識してない(笑)
私はそこまでこだわりのあるラーメン通ではない(笑)

スープも魚介系、サバが効いてるような?
あっ、メニューにサバって書いてあった。
こちらもサバの割には臭みがない。
麺とチャーシューをつけつけ完食、残るはスープ。
つけ麺だけに味濃いめ。
薄めるのに、麺が浸かっていた昆布スープを入れた。

もうちょっと薄めたいなぁ。
店員さんに「割スープありますか?」と聞いたら、
「麺の昆布スープを入れてください」とのこと。
いや、もう入れたんだが…
しょうがないので水で薄めて…
完食
感想
いやあ、とても上品で美味いんですよ。
すべてにおいて、こだわり抜いて臭みもなく洗練されたラーメンというか。
さらに地元の食材ばかりを使ったかなり地元を意識している。
美味いラーメンを作ろうと思えば、こだわり抜けば作れると思う。
「飯田商店」や「とみ田」はたしかに美味いかもしれない。
頑張ればそれと同じ系列でおいしいラーメンは作れるかもしれない。
でも、
どこで個性を出すか?
それがこの『オーロラ食堂』では、ご当地食材をふんだんに使うこと。
「シンご当地ラーメン」とでもいいましょうか。
確かに、ここ十和田のラーメンは昔から「醤油ラーメン」なんですよ。
かつては、札幌味噌ラーメン、博多とんこつラーメン、函館塩ラーメン、喜多方らーめん、長崎ちゃんぽん、などなど、ラーメンと言えばご当地でした。
おいしいラーメンを追求する人が増え、ご当地感は薄れそれぞれの「店の味」へと変わっていった。
札幌の味噌ラーメンより神奈川の味噌ラーメンのほうがおいしかったり、洋食っぽい創作系だったり。
まずい店を探す方が困難になるほど店が増えた。
系統こそあれ、みんな似たりよったり。
または、「あぁ、こんな感じね」と一度食べたらもういいかなと思ったり。
正直、新規開拓も面白みがなくなってきたと感じるようになってきた。
そんな流れか、ノスラーやラーショ(ラーメンショップ)がまた注目されているのだろう。
そんななか、有名店インスパイヤ系統でも地元の食材をふんだんに使う。
これは新しいかもしれない。
逆に東京では難しいかもしれない。
ラーメンもまた新しい段階に入ったように思いました。
補足
でもなにか物足りない。
私個人的にですよ。
これはラーメンを使った料理というイメージ。
私は、もっと臭みがあってもいいし多少のクセがあったほうが好みだ。
ラーメンは『ラーメン』であって欲しいタイプ。
『美味しい』ではなく、『旨い』であって欲しいのが個人的な感想です。
でも『表』と『裏』は食べてみたいな。