腹膜から腸へ転移が見つかった 大好きだった「食べること」が奪われてしまった 虫垂癌を患った姉の話 エピソード3
更新日:4月1日

姉のがんの転移が見つかったと聞いたものの、今すぐどうのということは思いません
でした。
とりあえずまた抗がん剤治療を続けながら様子を見ていくことしかできない。 多少の副作用はあれど、まだ十分普通の生活はできているようだし、自分も仕事もあるし急に休みを取って動くというまでもないかな。
会いに行ったのは、それから2か月後の5月に計画的に休みを作って行きました。
その時に直接会って話した感触としては、
・抗がん剤投与の為に今のところは計画的に入退院を繰り返している。
・退院しているときは普通に生活送っていて、遊びに行ったりもしている。
まあ元気じゃないか。
毎年夏に子供を連れて帰しているけど、 今回はあまり実家にいないほうがいいかな。
今度はほんとに 「来るな」 と言われそうだし...
でも7月、子供の夏休みに入ってから2泊3日で帰省した。
やっぱり母には子供の顔を見せたいし、母も一年に一度は孫の顔を見たいだろう。
独り者の姉はそんな気持ちもわからないんだろうな...
実家には寝泊りせず別で宿を取って立ち寄り、顔を見せただけにしておいた。
いつもなら3泊4日 4泊5日くらいだった。
その約3週間後の8月中旬、姉から再入院の連絡が来た。
腸にがんの転移が確認されたとのこと。
そして
・がんで腸がふさがってしまい食事がとれなくなってしまっていること、
・食事がとれないため点滴で栄養を取っている、排泄をするのが 難しくなるので排せつのためのポートを作るための検査をする
とのことだった。
直接電話でそのような話を聞いたのだが、その時はまったくピンとこなかった。
なんの話かよくわからないが、わかったことは
・何かの検査をするということ
・もう食事を摂ることができなくなってしまったということ
ということがわかった。
どうやらがんで腸がふさがってしまい腸閉塞の状態になったらしい。
仮に食事を摂ってしまうと腹痛や吐き気を催したりして苦しくなるそうだ。
ここからは高カロリーの点滴で栄養をとるらしい。
体重が100kgオーバーありそうで食べることが何よりも好きだった姉から「食べること」が奪われてしまった。
本人はさぞ落ち込んだだろう。
よく聞いたら、既に8月上旬に検査を行った時点からもう何も食べていなかったそうだ。
それでもまだ兄弟なのに他人事のような感覚だった。
でももう仕事に復帰できないそうだ。
電話だけではなかなか状況がわからない。
またちょっと様子を見にいって具体的な話を聞いてこよう。
「食事を摂ることができない」
今思えばこの状態が、ここからのがん進行のカウントダウンの始まりだった。